7月。期末テストが終わり、夏休みまでのカウントダウンが始まっていた。

大抵の人は浮かれ気分で、さわやかな顔で残りの日を過ごす。

しかし、私。は違っていた。

どこが違うのかと言いますと、浮かれ気分になれない事。

どうして浮かれ気分になれないかと言うと、やはり期末テストが原因でありまして・・・。

わたし、。中3は破滅的に英語が苦手で、いつも半分の点数を取るのが精一杯なのですが、今回の期末テストにおいては半分も取れなかったのです。

先生にも呆れられてしまって、課題をやっとの思いで貰う事が出来ました。

 (本当は欲しくないけど、少しでも賢くなりたいし・・・。

  ちょっと複雑な気持ちで一杯です・・・。)

とりあえず課題を持って、私の仕事場である図書室に行く事にしました。

私は図書委員なので、自由に鍵を開ける事が出来るのです!!

 (ちょっとした特権!!なんて思っちゃったりしてます。)

そして、誰もいない図書室で勉強することが決まりました!!


「よし。頑張りますか!!」


そう言った私は、期末テストの直しを中心的に勉強が始まりました!!


「えっと、問1。“They seem so very happy”を日本語訳しなさい。
 おっ。これは出来るかも。
 答えは“彼らのシーンはとても幸せです。”だよ!!
 私も、出来るじゃん!!じゃあ。問2は・・・・」


「ねぇ。その訳間違ってるけど・・・。」


「誰!?」


いきなり声を掛けられたので、思わず叫んでしまった。

後ろを振り向くと、明らかに後輩といった感じの男の子が座っていた。


「誰!?ってないっすよ。先輩。」


「あっ。越前リョーマくん!!どうしてここにいるの?」


「別に。」


「べつに・・・って・・・。」


「それより、訳の間違い直さないんっすか?」


「えっ!?間違ってるの?
 合ってると思ったのに・・・。」


「どこが合ってるんだか・・・・。
 第一、“シーン”なんて単語ないし・・・・。」


「えっ!?“seem”って、“シーン”じゃないの!?」


先輩って本当に3年生っすか?
 “seem”の意味も知らないなんて・・・。」


「ひどーい!!
 誰だって、間違う事あるんだから!!」


「じゃあ、どういう意味っすか?せ・ん・ぱ・い。」


ちょっと意地悪な感じで、私に尋ねてきた。



「えーっと。うーんと・・・・・・。」





・・・分からない・・・どうしよう・・・・・・


リョーマくんに・・・馬鹿にされちゃう・・・。


えーい。もうやけだ!!


「それは“見る”だよ!!
 ・・・・合ってる・・・よね・・・・?」






「・・・・・・。」






「な・・・・何、その反応!?
 間違ってるなら、ちゃんと言ってよね!!」


「ふーん。じゃあ言うけど、ま・ち・が・いですよ。せ・ん・ぱ・い。」


ちょっと、憎たらしい口調で言ったリョーマ君に一瞬かちんっときたけど、やはり、自分も間違っているという事実を受け止めることにした。


「うーん。やっぱ英語って難しいよ・・・・。

 リョーマ君は英語得意なの?」


「まぁね。」

・・・先輩・・・俺のこと、何も知らないのでは・・・・。




「だったらね・・・・その・・・・。」


「何?
 言いたいことがあったら、はっきり言えば?」




「えっと・・・・。その・・・・・。
 越前リョーマ君。私に英語を教えて下さい。」




「よく言えました。
 じゃあ、いつものやつ・・・そうグレープでよろしく。」


「えっ!?
 な・・・何の事・・・・?」




「・・・・まだまだだね。せ・ん・ぱ・い。」




        <fin>

因みに、They seem so very happy”の訳は“彼らは幸せそうに見える”です。




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