文化祭
9月。夏の全国大会が終わり、2学期が始まる・・・。
そうなると、3年生の生徒は全員、部活を引退して勉強モードに入るのです。
(いくら、エスカレーター式だからと言っても、勉強しないと進級できない訳で・・・。)
それで、部活の引退で調子がくるわないように最後に暴れてもらおう!!という学校側の意図でこの文化祭があるのです。
しかも、この文化祭で部門ごとに賞金が用意してあり、生徒たちはこの賞金を狙っているのだ!!
「じゃあ、今日は文化祭の出し物を決めよう。」
「みんな、頑張って優勝するにゃ〜!!」
そういう声が聞こえてきたのはやはり3年6組!!
このクラスは青学のNo.1ムードメーカ:菊丸英二&彼氏にしたい男No.1:不二周助がいるクラス。
密かに優勝候補となっているのだ!!
もちろん、この2人が委員を務める(委員長:不二周助、副委員長:菊丸英二)だけあって、息の合った流れでクラスのみんなをまとめているのだ。
「まず部門を決めます。 部門は“舞台”・“料理”・“展示”の3部門です。 みんなはどれがいいかな?」
「も〜!!不二ったら、そんなこと聞かなくたっていいじゃん!! みんな、“舞台”やろうよ!!ねっ!!」
「でも、英二。 いちようみんなに聞いておかないと、嫌だって思う人だっていると思うし・・・。」
「ちぇ〜。分かったよ。 みんな、何やりたい?」
「『舞台でいいでーす!!!』」
「ほら×2!!不二。 みんなもいいって言ってるし、いいよね?」
「あぁ・・・。それならいいけど・・・。 じゃあ、次は、やる演目を決めるんだけど、何か意見ある?」
「うーん。じゃあ、“眠れる森の美女”はどう?」
「何でそれがいいの?」
英二の突然の言葉に困惑する不二。
いつもなら“金八先生”や“ヒーロー系”を言うはずなのに、今日は“眠れる森の美女”を選んだ。
何かあると思うが、なかなかそこまでは追求できない不二である。
「ん〜。なんとなくかな? でも、うけ狙いでもあるにゃ〜!!」
「うけ狙い?どんなうけなんだい?」
「それはね〜!! “ちょっと怪しいお芝居”作戦!!」
「“ちょっと怪しいお芝居”作戦!? 英二・・・。君は何を考えているんだ・・・。」
明らかにおかしい作戦を言っている英二に困惑の色を隠せない状態の不二であった。
「いやぁ。普通の芝居って面白くないじゃん!! だから、この“眠れる森の美女”は全員男子が演じて、女子は裏方をするんだにゃ〜!! どう、いい考えだと思わない?」
「う〜ん。英二がこんな事言っているけど、みんなはどう思うかい?」
困惑しきった不二は他人に意見を求める事しかできない状態になっていた。
「『いいよ!!楽しそう!!』」
「わーい!! 不二。決まりだね!!じゃあ、配役はどうしようか?」
「『姫が不二君で、王子が英二君!!』」
女子が満場一致で配役を言った!!
「よ〜し!!分かったにゃ〜!! 不二。頑張ろうね!!」
「あ・・・あぁ・・・。頑張・・・ろう・・・。」
不二は、もうどうにでもしてという雰囲気を醸し出してる・・・。
やはり、英二には敵わないなと改めて悟った瞬間でもあった。
-------そして、文化祭の準備期間に突入した。-------
「不二!!今日は“衣装合わせ”だよ!! お姫様の不二か・・・楽しみだにゃん!!」
「英二・・・なんか、たのしんでいないかい?」
「だって、楽しくなくちゃお芝居なんてできないじゃん!! 不二は、つまらにゃいの?」
「つまらないって訳じゃないけど・・・ ただ・・・ちょっと、苦手な事してるかなって思っているだけだよ・・・。」
「ふーん。そうなんだ。 でも、あと1週間で終わりだから、我慢して欲しいにゃ〜。」
「大丈夫だよ。 賞金も欲しいし、それも今年で中学最後の文化祭だから、多少はリスクを負わなくちゃ(笑)」
「ありがとう不二!!頑張って優勝しようにゃ〜!!」
「くすっ。もちろんさ。」
そして、準備は順調に進んだ・・・・。
-------そして、文化祭当日・・・・。-------
「さぁ、今日はいよいよ本番だにゃ〜!! 気合入れて優勝一直線だにゃ〜!!」
「『おーっ!!!!』」
・・・・次は、3年6組によります劇“眠れる森の美女”です。・・・・・・
アナウンスが流れてくる・・・・
今まで、緩んでいた空気がぎゅっと引き締まり、皆が真剣そのものになっていた。
会場の中は驚きの声、爆笑もあり、拍手もたくさん沸きあがる・・・・
“劇”にとってこの上ないプレゼントをもらった。
そして、無事に劇が終わった・・・・。
クラスメイトの皆は安心したせいか、涙があふれていた・・・・。
もちろん、委員であり、主役も務めた不二周助・菊丸英二も例外ではない。
その後も何組か劇が続けられていた・・・・。
すべての組の劇が終了した。
後は、結果を待つのみ・・・・・。
精一杯やった・・・・悔いはない・・・はず・・・・・
しかし、“負けたくない”という気持ちがどうしても勝ってしまう・・・・。
「みんな、お疲れさま!! 後は、結果発表だけになっちゃったけど、最後まで信じよう!!」
「そうだね・・・。」
いよいよ発表の時が来た。
『・・・・・まず第3位は1年2組“金八先生”』
入らなかった・・・・嬉しいような悲しいような・・・・・・複雑である。
『・・・・・続いて第2位は3年・・・・』
3年・・・・今入ってしまうと、優勝がなくなってしまう・・・・・
お願いだから・・・・他のクラスを呼んで・・・・・。
『・・・・11組“データの怪談”』
「みんな、あと1位だけだよ・・・・頑張って祈ろう!!」 いつもなら冷静な不二周助が今は落ち着きがない・・・。
『・・・・・そして、今回の“劇”部門の優勝クラスは・・・・・・』
不二はとっさに菊丸の腕をつかみ、すがるように祈っている・・・・。
「不二・・・大丈夫!!俺たちが負ける訳ないじゃん!! だから、信じよう!!」
「うん。そうだね・・・。」
『優勝クラスは・・・・・3年6組“眠れる森の美女”です!!おめでとう!!』
「英・・二・・・僕たちのクラスが優勝したよ・・・。」
「うんにゃ〜!!やったよ!!不二☆」
こんな嬉しい瞬間は初めてだ・・・皆と協力して、成功させた・・・・。
かけがえのない“何か”を手に入れられた・・・・。
「皆・・・ありがとう・・・・そして、お疲れ様・・・。」
こうして、3年6組の文化祭は幕をおろした・・・・。
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